残念な日本語を現行犯逮捕する

ビジネス文書は、正確に、論理的に、そして美しくありたいもの。一部上場大手企業における管理職経験14年、入試問題の文章推敲経験9年、卒業論文の添削経験18年、ヒューマン・ センタード・デザインや感情心理にも精通した筆者が、気になる日本語を斬ります。

かたくるしい漢字

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 NEXCO東日本のwebぺージのプレスルーム/プレスリリース 東北支社に上のような案内がありました。「及び」「若しくは」に当て字が使われています。首都高速道路株式会社のwebぺージの首都高を使う/安全走行のために/冬季期間の首都高のご利用にあたってお客様へのお願いにも、下の写真のような案内がありました。「又は」「及び」「等」に漢字が使われています。

 

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 これらの表記は、平成22年11月30日内閣訓令第1号「公用文における漢字使用等について」に従っていると考えられます。訓令をしっかり守ってえらいとも言えますが、民間の感覚からすると、堅苦しい表記だなと感じます。官庁でも、ひらがなで表記している文書があります。たとえば、1952年4月4日内閣閣甲第16号通達「公用文改善の趣旨徹底について(依命通知)」には、「及び」は全く使われていません。すべて「および」と表記されています。

 やはり、漢字自体にほとんど意味のない接続詞・助動詞などは、ひらがなの方が親しみやすいですね。NEXCO東日本にしても首都高速道路株式会社にしても、もとは道路公団だったわけですから、そこで働く職員には、お役所の文化が残っているのかもしれません。

 

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 NEXCO東日本が逆走防止を呼びかけるぺージでは、「無くそう」と表記されています。これは平成22年11月30日内閣訓令第1号「公用文における漢字使用等について」にも違反するので、「なくそう」と表記してほしいところです。