雇用主の専権事項を代行しているのは誰?
讀賣新聞のある記事に「味の素は所定労働時間を、17年度に、それまでの7時間35分から20分短縮させた」と書かれていました。「短縮させた」って、誰に短縮させたのでしょう。自動詞に「させる」をつけると、他動詞として目的語を取れるようになりますが、「短縮する」はもともと他動詞なので、「労働時間を短縮する」のように目的語とともに使うことができます。他動詞にさらに「させる」をつけると、誰かにやらせる/やってもらうという使役になります。労働時間を決めるのは(組合との協議が必要としても、基本的には)雇用主である味の素であるはず。その味の素が「労働時間を短縮させた」? 珍妙な日本語です。